リーダー層向け異業種交流型研修「イノベーターシップ養成プログラム(ISP)」 第10期生へのインタビュー 

リーダー層向け異業種交流型研修「イノベーターシップ養成プログラム(ISP)」
第10期生へのインタビュー



イノベーターシップ養成プログラム(ISP)第10期にご参加いただいた
ソニーグループ株式会社 福田 知仁さん、株式会社アイシン 竹田 佳弘さん、
リサ・サーナ株式会社 佃 美紗都さんに、プログラムから得たものやその後の変化についてお話をお伺いしました。

3名からは価値観の変化と新しい製品開発への挑戦、人とのつながりの重要性、年齢や業種を超えた学びの可能性を深く感じられ、プログラムでの講師陣の多様性と質の高さにも評価をいただき、今後の活動への意欲も示されました!



【徳岡】
ISPの5か月間(月2回、計10回)の講義を受講してみて、一番何を得られたと感じていますか?
竹田さん
【竹田】
得たものは本当にたくさんありますが、一言で表すなら、価値観や、人生観が本当に変わる考え方ですね。
このプログラムを受けるまでは会社に入って担当している業務をこなし、昇進して、 定年後は再雇用でまた働くという余生を過ごすのだろうと漠然としたイメージを持っていました。

徳岡先生の最初の授業で100年人生は続くというお話があり、私にはまだ半分以上残っていますが、 その思考を止めていたという気づきがありました。
会社での人生が終わってからもまだまだ人生は続くという概念を持てずに、 どこに向かって働くべきなのだろう?その先に何をするのだろう?ということを考えなくてはならないと気づけました。


【徳岡】
ISPでは職場の中においてイノベーターシップで新しいイノベーション起こそう!チャレンジしよう!という方の人財育成を目的としていますが、 竹田さんの場合はご自身のイノベーションのきっかけになったのかもしれませんね。


【竹田】
仕事ばかりしているような世代ですが、人生はまだまだ長く、会社人生が終わった後の未来を見据えて、 その先の人生が豊かになるようなものを見つけていきたいよねという話ができるようになりましたね。


【徳岡】
目の前のことに一生懸命になるということもそれはそれで面白いですが、 ちょっと俯瞰してみると本当にそれだけでいいのだろうか?ということですよね。

佃さんはどうですか?
佃さん
【佃】
強く感じたことは、志の高い仲間との出会いと相互刺激の重要性、そのつながりから広がる未来への可能性です。

各社より優秀で選ばれた方々が、このプログラムに参加して「イノベーターシップ」を学び心に火がついて、 お互いが響き合っていることを感じてISPすごいな!と思ったのと同時に、 業界を超えた人とつながることは楽しい!とあらためて思えて、参加して本当に良かったと思いました。

会社の研修等だと、忙しい中、日中の時間に拘束されて嫌々参加している感じが漂うこともあったりしますが、 ISPには皆さん毎回すごく楽しみに会場に来られていることを感じ、 そこで1日仲間と一緒に学ぶ時間を過ごして、いい議論をして、 1日のプログラムが終わるころには疲れよりもエネルギーレベルが高まっている雰囲気がとても良かったです。

【徳岡】
皆さん響きあっていましたよね。
皆さんが活動する場所はバラバラであっても、あちらこちらで動き出すと大きく世の中変わっていくのだろうなという期待感がありますよね。

福田さんはどうでしたか?
福田さん
【福田】
響き合っている仲間というポイントでお話しをすると、プログラムが9月に修了した後、 皆で11月に反省会を東京で実施して、今度は3月に名古屋でまた集まる機会を作り日本のイノベーションに触れようと企画しています。

個人で本では勉強は続けていますが、皆で集まってイノベーションを探しに行く、体験しに行くということは仲間がいるから行動に起こせていますね。
僕は59歳でISPに参加しましたが、皆さんと過ごしてあっという間に40代に戻してもらえたという感じがしました。

講義でも講義外でも白熱した時間をいっぱい持つことができて良かったのですが、 時代認識とか価値観とか、未来に対する構想力とかを考えて語れるように自然になっていくと、 器が広がってきた感じもして、ただ、これを45歳の時に感じたかったですね。

仕事がたくさんできるとか、早くできるとか正確にできるとか、そういうことではないというポイントが見えてきたことが得たものですね。


勇気や覚悟、ワクワクを持って新たな挑戦へ!



【徳岡】
ご自身の仕事に対する考え方とか、具体的に挑戦してみようと思ったことなど、何か仕事に直結する部分で変化や改善はありましたでしょうか?

【福田】
ありますね。
3月から個人事務所を立ち上げ独立します。

新しく自分のビジネスを切り開いていこうという状況ですが、正直やっぱり不安はあります。
不安はあるのですが、京都セッションでの訪問先でお話しいただいたそれぞれの思いや行動からくる圧力を感じ、イノベーションを起こすことはやはり可能なのだと思えたことに勇気をもらいました。

力づくでもいいから歯を食いしばって髪を振り乱して動けば石は必ず動くのだといった感覚ですね。その圧力を生で感じることができ、これからやっていけそうな気がしています!


【徳岡】
福田さんの場合は独立するにあたってイノベーターシップを学んで、圧力によって背中を押された感覚があったのですね。

佃さんはどうですか?


【佃】
ISPに参加したのはちょうど新しい働き方をし始めた時期でした。
新しいチャレンジをする中でやりがいを感じる反面、不安定な環境や先行きの不安に、この道を選んだことに迷いがなかったかとは言い切れない状況でしたので、私も京都セッションではすごく考える機会になりました。

実際にイノベーターに会って話を聞いて、腹の底から湧き上がるパッションで夢を語る、そのエネルギーを肌で感じました。迷いが生じた時には原点に戻って考え方をみつけ、生涯をかけてやろうという決意と覚悟を持って、前例がなければ自分で作っていく姿勢に刺激を受けました。

自分の大切にしたい軸、自分の覚悟が何なのを改めて考えさせられ、自分自身の中途半端さを自覚し、反省し、やることが明確になったことと、覚悟を持って頑張ろうと思いました。


【徳岡】
不安で揺らいでいたところにある意味心棒が通り、実際にチャレンジをしている人たちに会って勇気をもらい、仕事に関して言えば具体的に何をやるべきかがもっと明確になったということですね。

竹田さんはいかがですか?


【竹田】
プログラムを通じて志を持つこと学ばせてもらったと思っています。

会社の中で管理職、グループ長クラス、課長クラスの人たちとのつながり強化しようという活動がタイミングよくあり、その中でも学んだことや情熱を持って熱く語ることを実践しているので「世の中を変えるための我々のミッションって何だろう」という議論や「我々はどうあるべきなのだろう」といった会話ができるようになりました。

グループメンバーに対しても、ISPのような異業種交流の研修に参加して社内の共通言語が通じないような場で一度自分を見つめ直して、世の中がどのように変化をしているのかを見てみることは今後の人生を左右するほど大きな経験になるので受けてみるべきだよと話しています。

仕事に直結する部分の変化でいうと、一番大きかったことは1月から部署異動で業務内容が変わりました。
今までは量産開発系を担当していたのですが、まだ世にないような製品を生み出していく内容にシフトさせてもらいました。
声をかけてくれた上司から、ISPを受けてから竹田さんが変わったのでやってくれるだろうと期待を持ってもらったようです。
そこが一番大きくて、 世の中を変えられるような製品に関わる仕事に今携われています。
すごく大変ですけど(笑)


【徳岡】
イノベーターとしてやっぱり必要なものはビジョンドリブンで、
熱く自分の思いを語るというものがないと突き抜けられないですよね。
それはとても大事なことで、上司の人も竹田さんのISP後の変化を感じたのでしょうね。


【竹田】
イノベーターシップに必要な発信力も結構上がった実感があり、自分から発信したことからいろいろな輪が広がっていくことを感じています。
会社の業務だけではなく自己啓発の時間ももっと増やしたいなと思っていて、今は学び直しの研修を受けたりしています。


講義の様子

熟達した講師と豊富なコンテンツからの学び!



【徳岡】
プログラム全体あるいは講義の中身で思い出に残っていることはありますか?


【佃】
私はやはり京都セッションが印象的でした。

本で読むのでもなく、ビデオで見るでもなく、生のイノベーターたちのエネルギーを肌で感じる事が出来て、それがすごく良かったと思います。

また、最終回で「自分はこんなイノベーションを起こす!」というテーマのスピーチ発表会でみなさんそれぞれの思いを聞けたこともとても良かったと思います。
ISPで5か月間一緒に過ごした仲間との関係が醸成された中で、普段は照れ臭くてなかなか語りにくいかもしれない内容も含め、素直にぞれぞれの思いを共有しあえたことでより信頼関係も深まり、プログラム修了後もつながる関係性が生まれたように思います。

社会人になると、新しい「友達」ができる機会は少なくなりますが、利害関係がない場で様々な業種の方とのネットワークが広がって、またそのネットワークが継続してプログラム終了後もワクワクがつながっていくところがこのプログラムのすごく良いところだと思います。
メンバー
【徳岡】
インタビュー発表会は皆の思いが聞けて感動的でしたよね。
10期の皆さんは特にお互いの信頼関係が深かったように感じました。
竹田さんはどうですか?


【竹田】
授業はどれも素晴らしかったですがあえて言うなら3つあります。

1つ目は初回のゲスト講演 「イノベーションを実現する力とは」で荒金氏の情熱にとても刺激を受けましたね。

2つ目は「DXとデータサイエンスマインド」の前田先生の講義も印象的でした。
理系なので会社でも根拠を示すためにデータを求められる事は多々あり、それはそれで大切なのですが勘の経営も大事な局面があるという話を聞いて、データ一局で積み上げてきたという世界観がいい意味で崩れ衝撃を受けました。

3つ目は「テクノロジーイノベーション経営の現在と未来」の栗山先生の講義です。
思考実験で30年後のビジネスを思い描くというワークをした時にアイデアはたくさん出てくるのですが、それに対して目標として設定した何十倍かのビジネスになるか? ターゲットは誰なのか?市場規模あるのか?を問われて、改めて数字で考えた時にそのアイデアと問いへの回答が全然繋がっておらず、アイデアありきで考えていたことがはっきりしました。
地に足をつけてその都度どう成長していくのかをしっかり考えて未来につなげていかなくてはならないという事を学びました。


【徳岡】
ユニークな先生が多いですよね。 コンテンツも結構豊富だと思います。
個人的にも絶対面白い!という先生方に講義をお願いしています。
福田さんはいかがでしょうか?


【福田】
徳岡さんのおっしゃる通り、先生のバリエーションがすごいなと思いました。

私が特に印象深かく感じた講義は2つあります。
1つ目は、藤井先生や京都でのイノベーターの講義です。
これらの講義に共通しているのですが、覚悟と志しをもって課題や現状を突破するパワーを感じました。

2つ目は小林先生の公共哲学の講義ですね。
答えのない事が世の中でどんどん起きてきて、どちらが正しいのか分からないシチュエーションが増えてきています。
世界も身の回りも変化していくので答えはどんどん遠のくというか変わっていくので、やはり勉強し続ける必要があると感じました。


【徳岡】
小林先生はマイケルサンデルの解説をしていた先生で、ISPでは講師のバリエーションも豊かにそろえています。
講義全てを完璧に理解することや吸収することは難しいことではありますが、全10回の講義は実は繋がっているのです。

皆さんそれぞれが自分なりにどう繋げてゆくのかを考えて楽しんでもらえたらいいなと思っています。
これから仕事や人生のいろいろな局面で 世界で起きていることに対しての自分の意見をしっかり見つけるために自分なりの思考実験を続けていってほしいと思っています。

一歩前に、一段上に、仲間と共に「これから」を担う人財へ!



【徳岡】
最後にISPの受講をご検討されている方にメッセージをいただけますか?

【竹田】
価値観や人生観が変わるようなプログラムだったということを実感しています。
いつ受けても遅いことはないので、是非受けてみていただいて自分の中で、新しい自分もしくは過去に忘れてきたような自分の想いが思い起こされるような体験を自分と同じようにしてほしいと思っています。

【佃】
私はISPに参加する前に多摩大学大学院MBAに通っていました。
社会人大学院に二年間通うとなるとそれなりの覚悟が必要ですが ISPは半年間のプログラムで、月に2日の時間を作ることでそれに近い体験ができるところが良いと思います。
大学院での学びを迷っている方などは、まずはISPを受講されてみると新しい世界が広がるきっかけになるのではないかと思います。


【福田】
20年前、30年前のソニーはエンジニアが商品の小型化や精度の高い商品をどんどん開発し世界中に売り込みに行くという分かりやすいビジネスモデルでした。

しかし今はそのビジネスモデルではなくなってきています。
これから10年後、ソニーでのマネジメントを任される人材は、ある特定の仕事に長けているとことではなく、新しいビジネス、新しいイノベーションを起こせる力を蓄えている人になってくると思います。
今の30代・40代は何をしたらマネジメントになるのかわかりづらくなってきているので悩んでいますね。
ISPでは特定のスキルの議論ではなく、一皮むける学びや経験ができるので是非受けてもらいたいと思っています。


【竹田】
今までは日本経済の成長が土台にあって事業が上手くいっていたという部分もありましたが、そうでない現在の状況下で、今までのやり方ではダメ、リーダーシップが大事、マネージャー層がいかに部下と寄り添う事が大事などいろいろと周りから言われみんな混乱しています。

世代によってだいぶ価値観も変わってきているので、こういったプログラムに参加して世の中で何が起きてきて、日本は今どういう状況にあり、これからどのようにしていく必要があるのか考えることが大切です。
会社もそうだし、そもそも日本が今後どうなるかわからなということを知るところがスタートだと思います。 その視点をもってマネジメントをしていくと人との接し方や話し方も変わってきて自ずとマネジメント能力も上がってくると思うので、ISPを受講することは非常に有益だと思っています。


【徳岡】
目まぐるしく時代が変わってきているので、分からない事を学び自分で考えるというある意味の突破力を身につけてもらいたいと思っています。
立ち止まって誰かが何かをしてくれるまで待っていようというとでは何も変わりません。
自律的に考え自ら変化を起こしていくセルフスターターになっていただくことが我々の願いでもあります。

皆さんがISPで得た知識や経験、ネットワークをもって益々ご活動されることを期待しております!