【連載コラム No.1】ニーチェvs. トクオカ(弊社会長) ~「神は死んだ」。「超人」。「イノベーターシップ」。~
ニーチェといえば知らない人のいない大哲学者。
1900年没。「神は死んだ」。「超人」。彼の概念は不滅の輝きを放っています。
トクオカといえば知らない人もいるかもしれない弊社ライフシフト会長。
元気一杯。「イノベーターシップ」で日本復活を目論む。
久方のコラムはこの二人の時間を超えた電線デスマッチ生中継!
というのはウソで実はこの二人が述べていることはとても似ているということをお話しようかと。
「イノベーターシップ的ニーチェ論」、「ニーチェ的イノベーターシップ論」。
まず、トクオカが何を言っているか。いくつか抽出しましょう。
既存のルールにとらわれるな。広い教養基盤をもて(「π型ベース」)。
未来を構想せよ。突破力をもて。
すべてではないですが、こういうことを言っています。
さて一方、ニーチェは「神は死んだ」と言いました。
その含意はなんであったか。ニーチェは19世紀後半に生きた人です。
もはやその時代、神が実在するなどと大半の人々は考えていませんでした。
だからニーチェの主著である「ツァラトゥストラ」において、
ちなみに「ツァラトゥストラ」とはペルシア地域の古代宗教であるゾロアスター教開祖のゾロアスターのドイツ語読みです。
彼はあえて異教の開祖の名を使ったのです。
「神は死んだ」と真昼の市場でランタンを掲げツァラトゥストラが叫びまわったとき市場の人々は彼をさんざんに嘲笑します。
「なに、神様は移住でもしたのか」云々。
そもそも誰も神様なんて信じてないのですから。
ツァラトゥストラは狂人扱いされてしまいます。
そして「来るのが早すぎた」と独り言ち、山に戻っていくのです。
でもここでニーチェが「ツァラ」に語らしめた「神」とはなんだったのでしょうか。
他でもないトクオカのいう「既存のルール」をニーチェは意味していたのです。
神の不在にもかかわらずまだ人々はキリスト教的道徳や規範、つまり「既存のルール」に縛られている。
そのことをツァラトゥストラに名を借りてニーチェは告発しているのです。
ニーチェは既存の規範が人々を縛り新しい創造を阻んでいると考えていた。
既存ルールがイノベーションを阻害していると。
トクオカと同じです。
「超人」。「人間は超人と動物の間に張られた糸」とニーチェは語ります。
人は超人にならなければならない。
超人を生み出すことが人類の唯一の責任である。
超人は世の中の規範を破壊します。トクオカの「突破力」です。
そして新しい創造を行うのです。「未来の構想」です。
もちろん、ニーチェはこれらの考えを広い教養を基礎に打ち立てていくのです。
トクオカの「π型ベース」ですね。
人類の唯一最大の義務は超人を生み出すこととニーチェは語っています。
そうでなければ未来はないと。
イノベーターを生み出さなければ日本の未来もありません。
第一次大戦の始まる前の安定した時代にニーチェは生きました。
しかし我々は米中覇権争いの激化する不安定な時代に生きています。
だから我々はなおさらイノベーター=超人にならなくてはならない。
トクオカの上梓した「イノベーターシップ」は21世紀の「ツァラトゥストラはかく語りき」なのかもしれない。
そんな視点でお読みいただくとまた一段と楽しんでいただけるかもしれません。
では来月またお目にかかりましょう。