【連載 コラム No.5】(プラトン+アリストテレス)÷2=トクオカ?
希代の哲学者と弊社会長トクオカを並列するこのシリーズ。
前回はプラトンを取り上げました。ちょっと復習。
プラトンは天上にイデアという真存在があり地上はそのマガイモノ、と世界を天と地に分ける「二世界論」を展開しました。
哲学に留まらず政治思想にも及び、真存在を解する哲学者が政治統治者になるべきだという、
一種の哲学者独裁政治を最善の政治体制と考え、かつシシリー島で実践を試みてまでいます(結局失敗しますが)。
さて、プラトンの師匠はかのソクラテスです。
ソクラテスは民主主義体制の下で利害が交錯する中、裁判で死刑を言い渡され刑死しました。
プラトンが深く民主主義や現実に失望し、天上のイデアというものを想定するに至った大きな背景です。
次はアリストテレスです。アリストテレスはプラトンの愛弟子でした。
まず、この絵をご覧ください。
ラファエロの名作「アテネの学堂」です。左側の老人は右手で天を指さしています。
プラトン。そして右側の若者は地を指さしています。彼がアリストテレスです。
師匠と弟子の対立のダイナミズム、これは哲学を前進させるひとつの駆動力であったといえましょう。
アリストテレスは、本質は地上の個物にあると主張したのです。
アリストテレスの議論は複雑なので、今回はごく大雑把ですが、現実を観察することの重要性を説いたと理解していただければひとまず十分です。
アリストテレスはボトムアップの、プラトンはトップダウンの世界観を有していたのです。
さて、トクオカを登場させる舞台が整いました。
現実の理解の深さといえばなんといってもベテランの強みです。
リスキリング研修で経験の棚卸をしていただくのは、各々の方の実際の経験を思い返し再整理しその意味付けを行う、
アリストテレス的行為と言ってよいでしょう。
他方、経験を活かしながら新しいチャレンジをしようとすれば自らの理想や理念や人生の目的といったものに考えを致すことになります。
会社の中で自分の役割を再定義するにも同じことが言えます。
ライフシフトの研修の大きな特徴は、まずひとつは巨視的視点の涵養。
今後のありたい世の中を自ら描き出し、そして実現するためのイノベーターシップを涵養します。
そしてもう一つは、そのためその自己変革、すなわちライフシフト。
これまでのキャリアを総点検しつつ、かつ目の前の現実を粒さに観察し突き詰めていくことにあります。
プラトンが2世界論、アリストテレスは1世界論とすれば、トクオカはさしずめ1.5世界論です。
1.5世界論の研修はおそらくライフシフト以外では受講できないのではないか、
わたくしかように考えている次第であります。
ではまたー。