シニア層が学び直しをするメリットは?
どんな分野を勉強すればいいの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
人生100年時代の到来により、シニア層の学び直しが注目を集めています。
50代・60代は記憶力や集中力の関係で若年層よりも学び直しに不利と思われがちですが、経験や知識の蓄積が豊富なこともあり、目的を持った学びに取り組むことで、高い効果が期待できます。
当記事では、シニアが学び直しをするメリットや人気の学習領域を紹介します。
学び直しの方法や実施する際のポイントについても解説しているので、シニア層からの学び直しを考えている方はぜひご覧ください。
- シニア層から学び直しすることで、高齢者雇用や定年後の生活に備えられる
- 人気の学習領域は語学スキルや資金形成に関する知識など
- 学び直しをする際は、学習内容の吟味と適切な時間管理が重要

株式会社ライフシフト 代表取締役社長COO。学生時代より企業研修業に携わり、大学卒業後、フライシュマン・ヒラード・ジャパンに新卒入社。 社内コミュニケーション、企業研修、人事制度、理念浸透のプロジェクトに従事。
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同社時代の上司である徳岡とともにライフシフト社を創業。 ベトナムでのスタートアップや起業を経験し、現在はライフシフト社COO。 プライベートでは二児の母。早稲田大学社会科学部卒業。
シニア世代の学び直しとは

学び直しとは、社会人になった後に教育機関などに通い直し、新しい知識スキルを習得することです。
リカレント教育とも呼ばれ、転職でキャリアアップを目指す人も増えた近年の日本において、一般的になりつつあります。
シニア世代でも、定年後に働き続ける必要性を感じている人を中心に学び直しが注目されており、既存のキャリアとは関連性のない分野に挑戦する人も多いです。
政府も支援制度や補助金制度を用意するなど、リカレント教育を推進する取り組みをしており、近年は学び直しがしやすい環境が整っています。
人生100年時代における学び直しの重要性
近年の日本は「人生100年時代」とも呼ばれており、平均寿命が長くなることで今まで以上に老後資金が必要になりつつあります。
また、少子化による労働人口の低下が原因で人材確保に課題を抱える企業も多く、定年の延長や高齢者雇用が行われることも少なくありません。
結果として、50~60代になってから学び直しを行い、将来的なキャリア形成につなげるメリットが多くなっています。
加えて、学び直しのような知的活動は脳の活性化を促し、新たな人脈形成にもつながるため、老後を健康的に過ごせる可能性が高くなります。
経済面と健康面の双方から、シニア世代が学び直しをする重要性は高いといえるでしょう。
学び直しと生涯学習の違い
学び直しと生涯学習は似た言葉ですが、学習する目的に違いがあります。
学び直しは再就職やキャリア形成を視野に入れた実践的な学びを指すことが多いです。
一方、生涯学習は一般的に、趣味や教養まで含めた範囲を生涯をかけて学ぶことを指します。
基本的に生涯学習は自己啓発に近い側面があるため、自身のキャリアや年収などに直結するような学習を行うケースは少なく、明確な目標設定も行わないことが多いです。
対して、学び直しはスキルの習得や資格の取得など、目的が明確になっているため、計画的な勉強時間の確保と継続力が求められます。
50代・60代のシニア層が学び直しに向いている理由
50代・60代のシニア層は若年層と比べると記憶力や集中力の低下する傾向があるため、一見すると学び直しには向いていないと思われがちです。
しかし、シニア層は定年から逆算した目標設定が可能なため、学習の計画を立てやすい他、今までの実務経験を応用して学習を進められます。
また、今までの社会経験から時間管理も適切に行える傾向があるため、効率的な学習を継続して行うことが可能です。
以上のことから、シニア層は若年層以上に学び直しに向いているといえるでしょう。
シニア層が学び直しをするメリット

シニア層が学び直しをするメリットは以下の通りです。
- 高齢者雇用を見越したスキル習得ができる
- 定年後に活かせる知識を身に付けられる
- 新しい人脈が形成できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高齢者雇用を見越したスキル習得ができる
シニア層が学び直しを行うことで、高齢者雇用を見越したスキルの習得が可能です。
先述の通り、近年は労働人口の低下を考慮して、高齢化雇用を実施している企業が増えています。
高齢者雇用を希望する場合、現職と同じ職種で雇用を目指すのも1つの道ですが、学び直しによって新しいスキルを習得すれば、働き先の選択肢を広げることが可能です。
特に資格を習得すれば企業に即戦力になることをアピールできるため、選考時に高い評価を得られる可能性があります。
定年後も働くことを考えるのであれば、50~60代で学び直しを行い、自身の可能性を広げることをおすすめします。
定年後に活かせる知識を身に付けられる
学習する分野によっては定年後の生活に活かせる知識やスキルが身に付くことも、シニア層が学び直しをするメリットです。
たとえば、介護や資産運用といった領域の知識やスキルは、仕事だけでなく実生活にも活用できます。
また、学び直した領域が趣味につながることも少なくありません。
仕事だけにとどまらず、定年後の生きがいにつながるような内容を学べることも、学び直しのメリットといえるでしょう。
新しい人脈が形成できる
学び直しは、同じ目的を持つ仲間と出会える貴重な機会でもあります。
大学や塾などに通うと、年齢や背景の近い人たちとの交流が自然と生まれます。
社会人になると、年を重ねるにつれて人間関係が限定されがちになるため、学びの場での新しい人脈が形成できることは大きなメリットといえるでしょう。
また、共通の内容を学ぶ仲間とのつながりは、学習のモチベーションにもつながります。
継続的な学習をしていく上でも、学びの場で人脈を形成することは重要です。
シニア層の学び直しで人気の学習領域

シニア層の学び直しでは、以下のような学習領域が人気です。
- 英語をはじめとした語学スキル
- プログラミングをはじめとしたITスキル
- 介護・福祉関連の資格学習
- 資金形成や資産運用に関する知識
それぞれの学習領域について詳しく見ていきましょう。
英語をはじめとした語学スキル
英語をはじめとした語学スキルは、近年の企業のグローバル化に合わせて需要が高くなっています。
そのため、シニア層にとっても再就職や転職の際に強みになりやすいスキルです。
また、仕事だけでなく、海外旅行や外国人との交流などにも活用できるため、人気の高い学習領域となっています。
幅広い学習方法が用意されているのもポイントで、英会話教室やオンライン英語学習アプリなど、自身のスタイルに合わせて柔軟に学び直せます。
人とのコミュニケーションが学習効率に与える影響も大きいことから、学習を通じて積極的に人脈を形成したい人にもおすすめです。
プログラミングをはじめとしたITスキル
IT関連のスキルは、再就職や副業に直結しやすい実用的な学習領域として注目されています。
特に近年は日本全体でプログラマーが不足している傾向があるため、プログラミングスキルを身に付けることで再就職や転職に有利になることが多いです。
また、ITリテラシーの基礎だけを身に付けるだけでも、DX化が進む昨今の企業でも重宝される傾向にあります。
在宅ワークとの相性も良く、通勤を負担に感じている人の選択肢としても人気です。
介護・福祉関連の資格学習
介護や福祉の分野は、実生活にも役立つ学習領域としてシニア層から高い支持を得ています。
少子高齢化が進む日本では需要が高い職種でもあり、関連するスキルや資格を取得しておくことで、無資格・未経験からでも仕事に就きやすいのが特徴です。
自分や家族に介護が必要になった場合の備えにもつながるため、意欲的に学ぶ方が増えています。
一方で、実務を行う上ではある程度の体力が必要な点には注意が必要です。
資金形成や資産運用に関する知識
老後の生活設計を見据え、資産運用や資金形成の知識を学ぶシニア層も多いです。
近年は公的年金や退職金だけでは将来に不安を感じる方が多く、NISAやiDeCo、株式投資といった資産運用の手法について学ぶ人が増えています。
また、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得すれば、学んだ知識を仕事に活かすことも可能になるため、最終的な目標として設定する人も少なくありません。
プライベートにもつながりやすい学習領域として、根強い人気を誇っています。
シニア層の学び直しの方法と費用

シニア層が学び直しをする方法には、以下のようなものがあります。
- 大学や大学院で学ぶ
- 国や自治体の制度を利用する
- 通信教育やオンラインの学習サービスを利用する
- 留学する
それぞれの方法でかかる費用も合わせて解説します。
大学や大学院で学ぶ
大学や大学院での学び直しは、専門性の高い知識を深く学びたい方に適しています。
中にはシニア層向けの特別聴講生制度や科目等履修制度を設けている学校もあり、入試不要で一定の講義を受けることが可能です。
学習のための環境や施設が整っており、大学の教員から質の高い講義を受けられます。
また、同じ志の仲間と出会う機会も多いため、人脈形成の場としても有用です。
講義は無料で受けられるものもありますが、1科目あたり数千円から数万円程度かかることも少なくありません。
また、通学時間も加味した時間管理が必要になるため、本業やプライベートへの負担も大きくなりがちです。
費用面や時間的なコストの面を加味しても、無理のない学習が可能なのであれば、第一に考えたい学習方法といえます。
国や自治体の制度を利用する
続いて国や自治体の支援制度を活用する方法です。
国や自治体が用意しているリカレント教育向けの制度を活用すれば、学び直しにかかる費用やハードルを下げることができます。
たとえば「教育訓練給付金制度」では、対象講座を修了することで受講費用の一部が支給されます。
また、一部の自治体ではシニア向けの講座や市民大学講座を無料または低料金で開講している例もあります。
経済的な負担を抑えつつ学習を始めたい方にとって、制度の活用は現実的かつ効果的な方法です。
通信教育やオンラインの学習サービスを利用する
通信教育やオンラインの学習サービスは、時間や場所にとらわれずに学習できる点が魅力です。
自宅で気軽に始められるため、通学に時間がかけられない人や体力に自信がないシニア層でも無理なく継続できます。
学習できる内容も幅広く、スキルの習得から資格試験に向けた勉強まで対応しています。
自分のペースで学習できる柔軟さも特徴で、就寝前や朝の時間帯などに勉強したい人にもおすすめです。
費用は月額数千円から数万円程度であることが多く、マンツーマンでの指導カリキュラムなどがある場合は、料金が割高になる傾向にあります。
留学する
語学スキルの習得を目指すシニア層の場合は、短期または中長期の留学を視野に入れてもよいでしょう。
留学することで強制的に現地の言語を使用することになる上、日常生活の大半がヒアリングの学習になるようなものなので、語学スキルを高次元なレベルまで一気に高めることが可能です。
ただし、他の学習方法と比較して費用が高額な点には注意が必要です。
短期であれば数十万円程度で留学できるケースもありますが、中長期の留学の場合は年間200~300万円程度必要なことも少なくありません。
また、慣れない環境に身を置くことによってストレスが溜まりやすいことも、懸念すべき事項です。
シニア層が学び直しをする際のポイント

シニアから学び直しをする場合は、以下の点に注目しましょう。
- 学び直す領域を吟味する
- 一緒に学べる仲間を作る
- 適切な時間管理をする
- 中長期での習得を心がける
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
学び直す領域を吟味する
学び直しを始める際は、まず学び直す領域を吟味することが重要です。
学び直しには費用と時間的なコストが発生するため、漠然と学び直す内容を決めてしまうと、貴重な老後資金や定年までの時間を無駄にしてしまいます。
学び直す領域を決める際は、自身の定年後のキャリア設計を綿密に行い、必要なスキルや資格を明確にしましょう。
また、自身が強い関心を持っている分野を学び直しの対象にすることで、学習のモチベーションを保ちやすくなります。
後から後悔しないためにも、学び直す領域は時間をかけて決めるようにしましょう。
一緒に学べる仲間を作る
学び直しを続ける上で、同じ目標を持つ仲間の存在は大きな支えになります。
大学や塾、オンラインコミュニティなどで積極的に交流の場を持つことで、学習効率を大幅に高めることが可能です。
特にシニア層は孤立しやすい傾向があるため、学びを通じて新たな人間関係を築くことは、学習意欲の維持にもつながります。
最終的にはプライベートの友人や将来の取引先になることもあるので、人脈の形成は可能な限り行うのがおすすめです。
適切な時間管理をする
シニア層は若年層に比べると時間に余裕があると思われがちですが、家族との時間を作らなければならない場合も多く、学習に使える時間が取れないことも少なくありません。
そのため、限られた時間を有効に使うために、適切な時間管理を行うことが重要です。
例えば朝の時間帯に学習する習慣を付ければ、継続的な学習が可能になります。
また、オーディオ教材を活用すれば、通勤時間や家事の時間を勉強に充てることも可能です。
以上のように状況によっては複数の教材を使い分けつつ、学習時間を捻出していくことで、効率的な学習が行えます。
中長期での習得を心がける
シニア層の学び直しでは、短期間で成果を求めるよりも、半年〜数年単位の中長期的な視点を持つことが成功の秘訣です。
無理に短期間に学習時間を詰め込むと、プライベートの時間に余裕がなくなり、本業やプライベートに悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、シニア層は若年層と比べ、記憶力や集中力が低下する傾向にあるため、短期の詰め込み教育では学習内容が身に付かないことも少なくありません。
人生経験を活用した学習ができるシニア層だからこそ、学習内容を日常生活や仕事での経験に結びつけつつ、時間をかけて吸収していくことで、確実に知識を身に付けることが可能です。
シニア層から学び直しをする際は、すぐに結果を求めるのではなく、余裕を持って学習に取り組むようにしましょう。
シニア層こそ学び直しが将来に活きる

シニア層が学び直しをするメリットや人気の学習領域などについてお話ししてきました。
本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- シニア層から学び直しすることで、高齢者雇用や定年後の生活に備えられる
- 人気の学習領域は語学スキルや資金形成に関する知識など
- 学び直しをする際は、学習内容の吟味と適切な時間管理が重要
シニア層から学び直しをすることで、高齢者雇用や定年後の生活に備えられます。
特に語学スキルやIT関連のスキルなどの実務につながる領域や、資産形成や介護のような実生活につながる学習領域が人気です。
学び直しをする際は、あらかじめ学び直す領域を吟味し、適切な時間管理を行うことが重要です。
また、短期で習得しようとせず、中長期的に学習計画を立てることで、無理なく学習を続けられます。
当記事を参考に、ぜひ定年後に向けた学び直しを始めてみてください。

