50代から学び直しをするのは遅い?
おすすめの学習領域は?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
近年注目度が上がっている大人の学び直しですが、50代からの学び直しに意味があるのか疑問を感じている人も多いでしょう。
実は50代からの学び直しには、40代以下にはないメリットがあります。
当記事では、50代から学び直しが効果的な理由や、主な学習方法について解説しています。
おすすめの学習ジャンルや活用できる支援制度などについても紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
- 50代からの学び直しは目標設定がしやすく、今までの経験を活かして学習効率を高められる
- 大学やオンラインの学習サービスなど様々な学習方法があり、自身に合ったものを選択可能
- 支援制度や補助金制度を活用すれば、効率的な学習や金銭的コストの削減が可能

株式会社ライフシフト 代表取締役社長COO。学生時代より企業研修業に携わり、大学卒業後、フライシュマン・ヒラード・ジャパンに新卒入社。 社内コミュニケーション、企業研修、人事制度、理念浸透のプロジェクトに従事。
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同社時代の上司である徳岡とともにライフシフト社を創業。 ベトナムでのスタートアップや起業を経験し、現在はライフシフト社COO。 プライベートでは二児の母。早稲田大学社会科学部卒業。
社会人の学び直し(リカレント教育)とは?

社会人の学び直しとは、社会人が再度教育機関などで再教育を受けることで、リカレント教育とも呼ばれています。
学び直しを行うことで、現在の仕事では習得できない知識やスキルを習得でき、将来的なキャリアアップや転職につなげることが可能です。
近年は高齢化や働き方の変化の影響で学び直しに対する注目度が上がっており、政府も支援制度や補助金を設けるなど、学び直しを奨励しています。
基本的には働きながら学習を行うことになるため、平日の夜間や休日などを利用するか、転職のタイミングで発生する空白期間などで学び直しを行う人が多いです。
社会人の学び直しが注目される理由
社会人の学び直しが注目されている背景には、急速な技術革新と社会構造の変化があります。
近年はIT技術の急速な進歩により、生活や仕事の環境が目まぐるしく変化しています。
特にAIの普及や企業のDX推進が始まってからは、従来のスキルだけでは通用しない場面が増えてきました。
また、日本では医療技術の進歩や生活改善によって平均寿命が伸び続けており、定年後も働き続ける必要性が高まっています。
以上のような背景から、年齢を問わず新たなスキルを習得し、キャリアの幅を広げるための学び直しが重要視されています。
50代が学び直しに効果的な理由

50代が学び直しに効果的な理由は以下の通りです。
- 目標設定がしやすい
- 自身の課題が明確になっている
- 社会人経験を学習に応用できる
基本的には、今までの社会人経験がメリットに直結しています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目標設定がしやすい
50代からの学び直しが効果的な理由として、まずは目標設定がしやすいことが挙げられます。
50代は、現在の仕事におけるキャリアの到達点が見え始めている場合が多いです。
現職で今後必要になるスキルや知識も絞られてくるため、40代以下よりも学び直しの目標が立てやすいといえます。
また、50代は定年後の人生を考慮したプランを考えていく必要があります。
定年後に再雇用や新しい分野への挑戦を考えている場合、定年から逆算した学習計画を立てられるため、目標設定がしやすいです。
自身の課題が明確になっている
自身の課題が明確になっていることも、50代からの学び直しが効果的な理由の1つです。
20~30代では経験していない業務も多いため、顕在化していない課題があることも多く、本当に学び直しが必要な学習領域を選定できないことも少なくありません。
一方、50代はこれまでの職務経験や人生経験から、若い世代よりも自分の短所を客観的に把握できます。
そのため、学ぶ領域を選定する際に、自身に足りないスキルをピンポイントで選ぶことが可能です。
また、自分の長所も明確に把握しているので、長所を伸ばす形で学び直しを考えている場合も、適切に学習領域を選択できます。
社会人経験を学習に応用できる
50代から学び直すことで、40代以下よりも社会人経験を応用した学習が可能になります。
50代は40代以下と比較して、頭の回転の速さのような「流動性知能」が低下している傾向があるため、ブレインストーミングやジャストアイデアを提示が難しくなりがちです。
一方で、実務で培った知識やスキル、問題解決能力を活かした「結晶性知能」が優れている傾向にあるため、経験を活かした学習の効率が高い傾向にあります。
特に基礎的な領域を学ぶ際には、別の領域での経験を活かして実践を想定した学習が可能なため、40代以下よりも学習効率が高くなることが多いです。
50代が学び直しをするための方法

50代が学び直しとする方法には、以下のようなものがあります。
- 大学に通う
- オンラインの学習サービスや通信教育を活用する
- 書籍やオーディオ教材を活用する
それぞれ強みや注意点に違いがあるので、自身に合った学び方を選ぶことが重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大学に通う
まずは大学に通う方法です。
近年はリカレント教育を行っている大学が増えており、政府も「就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業」を実施するなど、大学での学び直しを推奨しています。
社会人が通いやすい通信制の大学だけでなく、一般の有名大学も社会人向けの夜間コースやリカレント教育用のプログラムを開設しており、各分野の専門知識を体系的に学ぶことが可能です。
人脈形成の手段としても有用で、履修方式によっては学位の取得も可能ですが、通う大学やコースによっては受講料としてまとまったお金が必要になるので注意しましょう。
50代からの本格的な学び直しに「ライフシフト大学」も選択肢に

大学進学や専門的な学び直しを検討している方には、「ライフシフト大学」もおすすめです。
ライフシフト大学は、人生100年時代のキャリアと生き方を支援する社会人向けの教育プログラムを提供しており、50代・60代からの学び直しに特化しています。
セカンドキャリアの構築や社会とのつながりの再構築といった「人生全体」を見つめ直す内容が充実しているのが特長です。
また、多摩大学大学院の履修科目をオンラインで受講できる制度もあり、経営やマネジメントなど、実践的な知識を自分のペースで学ぶことができます。
「これからの人生をどう過ごしたいか」を考えながら学びを深めたい方にとって、非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
オンラインの学習サービスや通信教育を活用する
続いてはオンラインの学習サービスや通信教育を活用する方法です。
前述の通り、社会人の学び直しは働きながら行うことになるので、一般的には平日の夜間や休日などに行います。
しかし、仕事によってはわずかな時間しか活用できないことも少なくありません。
オンライン学習サービスや通信教育なら、スキマ時間を利用して自分のペースで学べるため、時間が取れない人でも無理なく学習を継続できます。
動画講座やeラーニング、専門スクールなど、選択肢も多いため、自分に合った学び方を見つけやすいのもメリットです。
コストも比較的抑えられるため、費用面でも安心して取り組めます。
書籍やオーディオ教材を活用する
低コストかつ手軽に取り組める学び直しの方法として、書籍やオーディオ教材を活用するという手もあります。
書籍やオーディオ教材は、通勤時間なども学習に充てられるので、より効率的な学び直しが可能です。
特にオーディオ教材は家事の合間などにも学習が可能になるので、主婦の勉強方法としても効果的といえるでしょう。
ただし、上記のような時間で学習を行う場合、他の方法と比べて集中できないことが多く、結果的に学習効率が落ちることも少なくありません。
学習効率を求めるのであれば、他の方法をメインにしつつ、補助的な形で活用することをおすすめします。
50代に学び直しで人気の学習領域や資格

50代に学び直しで人気の学習領域や資格は以下の通りです。
- IT関連のスキルや資格
- 経営学や経済学
- 語学に関するスキル
- FP関連のスキルや資格
- 財務処理のスキルや簿記の資格
- マネジメントに関するスキル
それぞれ詳しく解説します。
IT関連のスキルや資格
デジタル化が加速する現代において、ITスキルの重要性はますます高まっています。
プログラミングだけでなく、データ分析やセキュリティに関する知識など、ITに関連する知識やスキルは50代の学び直しでも人気です。
また論理的思考や問題解決能力の養成につながるなど、実務的な知識やスキルの取得以外の面でも恩恵があります
資格についても、ITパスポートや基本情報技術者試験などの取得を目指して学習をする人が少なくありません。
大学での授業だけでなく、オンラインの学習サービスや学習に使える書籍が豊富に存在するため、自分に合った教材を見つけやすくなっています。
経営学や経済学
マネジメント職としての活躍や起業を視野に入れている人には、経営学や経済学がおすすめです。
経営戦略やマーケティング、人材育成などに関する知識を学ぶことで、ビジネスを高い視座で考えられるようになります。
近年はリカレント教育によってMBA(経営学修士)の取得を目指す人も増えており、MBAの取得が可能なプログラムを開設する大学も多いです。
語学に関するスキル
50代以降の学び直しでは、語学スキルの習得を目指す人も多いです。
近年は日本にもビジネスのグローバル化の波が迫っており、外国人との円滑なコミュニケーションが重要になる場面が増えてきています。
特に英語は、TOEICやTOEFLといった能力の指標となる検定があるため、目標設定がしやすく、学習領域として人気が高いです。
英語以外でも、中国やスペイン語のように話者人口が多い言語を学習すれば、様々なビジネスに活用できます。
プライベートでも海外旅行などで役立つ場面が多いため、習得する価値は高いといえるでしょう。
FP関連のスキルや資格
資産運用に興味がある場合、FP(ファイナンシャルプランナー)の取得を目指した学び直しをするのもおすすめです。
FP関連のスキルや知識はセカンドキャリアに活かせるだけでなく、自身の資産管理やライフプラン設計にも活用できるため、老後の生活でも大いに役立ちます。
また、税金対策に関する知識も習得できるため、起業を考えている人にも人気の学習領域です。
資格の取得についても、初級向けの3級FP技能検定からステップアップしていけるため、学習プランが立てやすくなっています。
財務処理のスキルや簿記の資格
起業を考える50代には、財務処理のスキルや簿記の資格も人気です。
特に日商簿記検定は幅広い業種で重宝される資格であり、50代にも人気があります。
財務について知見が深くなることで、会社の経営状況や課題を数字で把握しやすくなるため、経営者を目指すのであれば取得しておいて損のないスキルといえるでしょう。
起業を考えていない場合でも、簿記の資格はセカンドキャリアで有利に働くことが多いため、挑戦する価値の高い分野といえます。
マネジメントに関するスキル
現在の仕事に直結するスキルの習得を考えている場合は、マネジメントに関するスキルを学習するのもおすすめです。
50代はチームリーダーや管理職などのポジションについていることも多く、人材育成や組織運営などについて課題を持っている人も少なくないでしょう。
そこで、マネジメントに関するスキルを体系的に学ぶことで、課題の解決につながる可能性があります。
大学やオンラインの学習サービスでは、マネジメントに関する研修や講座を行っていることも多いため、自身に合った学習方法を選択しやすいのもメリットです。
社会人の学び直しで活用できる補助金や支援制度

社会人の学び直しは政府も推奨しており、補助金や支援制度を活用できます。
学び直しで活用できる主な補助金や支援制度は以下の通りです。
- 教育訓練給付金
- 高等職業訓練促進給付金
- キャリアコンサルティング
- 公的職業訓練(ハロートレーニング)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
教育訓練給付金
教育訓練給付金は、厚生労働省が実施する補助金制度です。
指定された教育訓練を修了した際に、訓練の受講にかかった費用の一部を補助金として受け取れます。
50代でも利用可能で、活用すれば学び直しにかかる費用を大幅に抑えることが可能です。
教育訓練給付金は以下の3種類に細分化されており、それぞれ支給される金額が異なります。
| 教育訓練給付金の分類 | 補助率・上限金額 |
|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 受講費用の20%(上限10万円) |
| 特定一般教育訓練給付金 | 最大で受講費用の50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練給付金 | 最大で受講費用の80%(上限年間64万円) |
それぞれ対象となる講座が異なるため、気になる方は厚生労働省のページからご確認ください。
受給には事前の申請が必要ですが、学び直しにかかる金銭的な負担を大きく軽減できるため、あらかじめ確認しておきたい制度です。
高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親を対象に各自治体が実施している補助金制度です。
児童扶養手当の支給を受けられる所得水準のひとり親が利用でき、訓練期間中に最大月額10万円、訓練修了後に5万円を受け取れます。
また、訓練期間の最後の1年間は月額の支給額が増額され、最大で14万円受け取ることが可能です。
受給対象となる人は限られていますが、条件に当てはまっている人はうまく活用したい補助金制度となっています。
対象となる講座については、自身が住んでいる地域の自治体窓口で確認しましょう。
キャリアコンサルティング
キャリアコンサルティングは、厚生労働省が実施している職業選択やキャリア設計、能力開発に関する支援制度です。
専門のコンサルタントに現在までの職歴や今後のキャリアプランなどを話すことで、適切な学習内容や講座の提案をしてくれます。
時には自身が想定していなかった領域を提案されることもあるため、学び直しを考えているにも関わらず、学習する領域が定まっていない人は、一度相談を検討してみると良いでしょう。
キャリアコンサルタントにはハローワークや自治体、民間のキャリア支援機関などで無料または低価格で相談することが可能です。
公的職業訓練(ハロートレーニング)
ハロートレーニングは、一般的に失業者やブランクのある転職希望者を対象にした公的職業訓練ですが、在職者向けコースも用意されています。
訓練期間は、失業者や転職希望者の場合は3ヶ月〜2年程度なことが多いですが、在職者向けの場合は最大でも5日程度と短めです。
パソコンスキルや簿記、介護・福祉分野など幅広いプログラムがあり、テキスト代のみで受講できます。
50代からでも安心して受講できる内容がそろっており、宅地建物取引主任者や第一種電気工事士などの資格取得が可能なコースもあるので、費用を抑えて学び直ししたい場合は選択肢に入るでしょう。
学び直しは50代からでも遅くはない

50代からの学び直しについて解説してきました。
本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- 50代からの学び直しは目標設定がしやすく、今までの経験を活かして学習効率を高められる
- 大学やオンラインの学習サービスなど様々な学習方法があり、自身に合ったものを選択可能
- 支援制度や補助金制度を活用すれば、効率的な学習や金銭的コストの削減が可能
50代からの学び直しは定年を見据えた目標設定がしやすく、今までの経験を活かした学習が可能なため、40代以下よりも効率的に学習を行える可能性があります。
近年はリカレント教育のためのプログラムやコースを開設している企業も多く、オンラインの学習サービスなども数多く存在するため、学びたい内容や学習に使える時間に合ったものを選択可能です。
支援制度や補助金制度を活用すれば、自身に合った学習領域の選定や、コストを抑えた学び直しが可能なので、要件に当てはまるならうまく活用していきましょう。
当記事を参考に、ぜひ定年後に向けた学び直しを始めてみてください。

