人生100年時代の社会人基礎力って何?
社会人基礎力を鍛えるにはどうしたら良いの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
人生100年時代において各ライフステージで活躍し続けるためには、社会人基礎力を身につけることが大切です。
本記事では、人生100年時代の社会人基礎力の重要性や鍛え方を解説します。
長い人生をより充実させるためのヒントを、一緒に見つけていきましょう。
- 人生100年時代は多様な生き方と柔軟なキャリア形成が求められており、社会人基礎力を鍛えて自分自身の土台をしっかりと作ることが重要
- 社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と12の要素で構成されている
- 社会人基礎力を鍛えるには、現状の自分の基礎力を把握し、具体的な目標設定・実行に向けて自ら行動し学び続けることが大切
- 人とのコミュニケーションを大切にし良好な人間関係を築くことも社会人基礎力アップに繋がる

株式会社ライフシフト 代表取締役社長COO。学生時代より企業研修業に携わり、大学卒業後、フライシュマン・ヒラード・ジャパンに新卒入社。 社内コミュニケーション、企業研修、人事制度、理念浸透のプロジェクトに従事。
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同社時代の上司である徳岡とともにライフシフト社を創業。 ベトナムでのスタートアップや起業を経験し、現在はライフシフト社COO。 プライベートでは二児の母。早稲田大学社会科学部卒業。
それでは早速見ていきましょう。
人生100年時代の社会人基礎力とは?

社会人基礎力は、2006年に経済産業省が提唱した概念で、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な力として定義されました。
そして2018年には「人生100年時代の社会人基礎力」として新たに再定義され、従来のスキルに加えて、自分自身の役割や生き方に対する視点が強調されるようになりました。
「人生100年時代」においては、現在の平均寿命や健康寿命が延び、人々が100年近く生きることが現実のものとなってきています。
この変化により、個人のライフステージが長期化し、働く期間も延びる傾向にあります。
その結果、教育・仕事・引退といった従来のライフサイクルが再構築され、多様な生き方と柔軟なキャリア形成が求められるようになっているのです。
さらに、急速に進化するテクノロジーやグローバル化によって、社会全体の在り方も変化しています。
この新しい時代では、生涯を通じた学びやスキルのアップデートが必要不可欠です。
そして、その土台となるのが「社会人基礎力」なのです。
人生100年時代に社会人基礎力が再定義された背景

人生100年時代と言われる現代に、社会人基礎力が再定義された背景はどのようなところにあるのでしょうか?
主なものをまとめると以下のとおりです。
- 平均寿命の延伸による働く期間の長期化
- 終身雇用の崩壊と働き方の多様化
- VUCA時代の到来
それぞれ詳しく見ていきましょう。
平均寿命の延伸による働く期間の長期化
社会人基礎力の再定義が必要になったことの背景の1つには、まず、平均寿命が延び、働く期間が長くなるにつれ、キャリアの継続性や変化への対応が重要になってきたことが挙げられます。
従来の教育や研修だけでは、変化の激しい社会に対応できる人材を育成することが難しくなり、生涯にわたって学び続ける姿勢や、変化に対応できる能力が求められるようになったのです。
一度身につけたスキルや知識で生涯を乗り切ることは難しくなり、常に新しい知識やスキルを習得し、変化に対応していく必要性が高まりました。
終身雇用の崩壊と働き方の多様化
以前は、新卒で入社した会社で定年まで働くことが一般的でしたが、近年は転職や起業、副業など、働き方が多様化しています。
そのため、1つの会社に依存せず、変化に対応できる能力が求められるようになりました。
終身雇用が崩壊し、個人のキャリアプランも多様化しています。
そのため、従来の画一的なスキルだけでなく、変化に適応できる柔軟性や、自らキャリアを形成していく主体性などが重要視されるようになりました。
VUCA時代の到来
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、社会やビジネス環境が目まぐるしく変化し、将来の予測が困難な状況を表しています。
このような状況下では、特定のスキルや知識で対応してきた従来のやり方では通用しなくなり、変化を柔軟に受け入れ対応できる能力が不可欠です。
人生100年時代における社会人基礎力の3つの能力と12の要素

社会人基礎力は、以下の3つの能力と、それに関連する12の要素で構成されています。
| 能力 | 要素 | 具体的な能力 |
|---|---|---|
| 前に踏み出す力 | 主体性 | 物事に進んで取り組む力 |
| 働きかけ力 | 周囲を巻き込み目標達成に向けて働きかける力 | |
| 実行力 | 目標を設定し確実に実行していく力 | |
| 考え抜く力 | 課題発見力 | 状況を把握し課題を見つけ出す力 |
| 計画力 | 課題解決に向けて計画を立て実行する力 | |
| 創造力 | 新しい発想を生み出し解決策を考案する力 | |
| チームで働く力 | 発信力 | 自分の意見をわかりやすく伝える力 |
| 傾聴力 | 相手の意見を丁寧に聴く力 | |
| 柔軟性 | 状況に応じて考え方や行動を変化させる力 | |
| 状況把握能力 | 周囲の状況を把握し適切に対応する力 | |
| 規律性 | 社会のルールや約束を守る力 | |
| ストレスコントロール力 | ストレスを管理し適切に対処する力 |
これらの能力は、個別のスキルとしてだけでなく、相互に補完し合う特徴を持っています。
例えば、「課題発見力」と「計画力」は、考え抜く力を高めるためにセットで機能し、「柔軟性」や「発信力」は、チームで協力する力を支えます。
この12の要素を意識することで、職場や地域社会における円滑なコミュニケーションと成果の達成が導かれるのです。
人生100年時代において社会人基礎力が求められる理由

人生100年時代において、社会人基礎力が求められる理由について具体的に見ていきましょう。
大きくまとめると以下のような点が関連しています。
- AIやIoTなどテクノロジーの進化
- ライフステージごとの継続的な学びの重要性
- 多様化する環境での柔軟な協働力の必要性
- ウェルビーイングの追求
1つずつ見ていきましょう。
AIやIoTなどテクノロジーの進化
第四次産業革命とは、AIやIoT、ビッグデータなどのテクノロジーが急速に進化し、産業や生活のあらゆる側面に影響を及ぼす時代を指します。
この新時代では、従来の知識や専門スキルだけでなく、変化に適応し、新しい価値を創造するための「社会人基礎力」がこれまで以上に重要になっています。
例えば、AIが人間の業務の一部を代替する一方で、統合的に考え、複雑な課題を解決する「考え抜く力」や、多様性のあるチームで新しいアイデアを生み出す「チームで働く力」が、職場や社会において欠かせない能力となっています。
人生100年時代を迎え、仕事やキャリアが長期化する中で、新しいテクノロジーを上手く活用しながら柔軟にスキルを更新していくことが求められているのです。
ライフステージごとの継続的な学びの重要性
人生100年時代と呼ばれる現代では、ライフステージのどの段階でも継続的な学びが重要視されています。
長い人生において、一度身に付けた知識やスキルだけでは乗り越えられないチャレンジが待ち受けているためです。
こうした背景から「リカレント教育」や「リスキリング」といった考え方が注目されています。
これらは、社会人基礎力の向上を目的とし、自分自身を客観的に見つめる「課題発見力」や計画を立て実行する「実行力」を活用して、成長を続けるライフスタイルの基盤となります。
現代においては、学び続ける力こそが職場や社会で価値を発揮するカギとなっています。
多様化する環境での柔軟な協働力の必要性
現代社会は、グローバル化や多様性の広がりによって、異なる価値観や背景を持つ人々が同じ環境で働くことが増えています。
このような環境においては、「傾聴力」や「柔軟性」などの社会人基礎力の要素が特に求められます。
多様なメンバーと協働するには、自分の意見を適切に発信しつつ、他者の意見を受け入れるバランスも必要です。
このような協働力を身に付けることで、チーム全体のパフォーマンスを高め、新たな価値を創出することができます。
人生100年時代を生き抜くためには、こうした能力を磨くことが欠かせません。
ウェルビーイングの追求
長寿化が進む現代では、単に長く生きるだけでなく、心身ともに健康で充実した人生を送ることが重視されています。
これを指す言葉が「ウェルビーイング」です。
ウェルビーイングを追求するためには、社会人基礎力が土台となります。
「主体性」や「ストレスコントロール力」といった要素は、自分らしく生きるための道筋を立て、困難を乗り越える力を支えてくれます。
また、協働力を活かして社会と関わり続けることは、孤立を防ぎ、多様な人とのつながりを生み出す重要な役割を果たします。
人生100年時代には、こうした社会人基礎力を活用して、個々がより良い生活の在り方を築いていくことが期待されています。
人生100年時代における社会人基礎力の鍛え方

社会人基礎力をバランスよく身につけるためには、自分の弱い部分を意識しその能力を補っていく必要があります。
人生100年時代を豊かに生きるために、社会人基礎力の鍛え方を押さえておきましょう。
まとめると以下のとおりです。
- 現状の自分の基礎力を把握する
- 具体的な目標を設定し自ら行動する
- リスキングを継続する
- 人とのコミュニケーションを大切にする
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1. 現状の自分の基礎力を把握する
人生100年時代において、自分自身の社会人基礎力を客観的に把握することは重要です。
社会人基礎力は、経済産業省が提唱した「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という3つの能力に基づいており、それぞれに12の細かな能力要素が定義されています。
これらの要素に基づいて、まずは自分がどれだけ各能力を実践できているかを振り返ることで、成長の方向性を見極めることができます。
例えば、主体性や課題発見力、発信力が強みである一方で、柔軟性や規律性が弱点である場合、その弱点を開発するための優先順位を明確化することができるでしょう。
2. 具体的な目標を設定し自ら行動する
具体的に自分の目標をしっかりと定めることで、必要な能力や現状とのギャップをより明確にすることができます。
そして、目標達成のために実行可能な計画を立て、自ら行動に移していくことが大切です。
自分のキャリアを会社任せにするのではなく、自ら目標を設定し、その達成に向けて積極的に行動することで、自己成長を促し、仕事へのモチベーションを高めることができます。
主体性を持って多様な経験を積むことで、幅広い視点やスキルを習得できるでしょう。
3. リスキングを継続する
現代のビジネス環境やライフスタイルの変化に対応するためには、社会人基礎力を活用しながらリスキリングを進めることが不可欠です。
リスキリングとは、新たなスキルを身につけたり、既存のスキルをアップデートしたりすることを指します。
人生100年時代では、職業人生が長期化するため、一度身につけたスキルだけで一生を乗り切ることが難しい状況となっています。
企業や大学が提供する研修や育成プログラムに参加したり、外部の専門機関に依頼して研修を実施してもらうなどして、継続的にリスキングを意識しましょう。
特に、デジタル技術や変化する産業構造への適応が求められる現代においては、課題発見力や計画力を活用して自分に必要なスキルを学ぶことが、キャリアの持続的な発展に寄与します。
4. 人とのコミュニケーションを大切にする
社会人基礎力を鍛える上で、人とのつながり、コミュニケーションは非常に重要です。
コミュニケーション能力、チームワーク、そして協調性といった能力は、良好な人間関係を築き、維持することで向上します。
積極的に人と関わり、多様な価値観に触れることで、自己成長に繋げることも可能です。
相手の話に注意深く耳を傾けつつ、自分の意見や考えをわかりやすく伝えるように意識し改善していくことで、より円滑なコミュニケーションが図れるでしょう。
社会人基礎力を身につけて人生100年時代を豊かに生き抜こう!

いかがでしたか?
人生100年時代における社会人基礎力の重要性や鍛え方などを紹介してきました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- 人生100年時代は多様な生き方と柔軟なキャリア形成が求められており、社会人基礎力を鍛えて自分自身の土台をしっかりと作ることが重要
- 社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と12の要素で構成されている
- 社会人基礎力を鍛えるには、現状の自分の基礎力を把握し、具体的な目標設定・実行に向けて自ら行動し学び続けることが大切
- 人とのコミュニケーションを大切にし良好な人間関係を築くことも社会人基礎力アップに繋がる
人生100年時代を迎え、私たちの働き方や学び方は大きく変化しています。
定年後もなお活躍し続けるためには、専門的なスキルだけでなく「社会人基礎力」のような汎用的な力がますます重要となっています。
一朝一夕で身につくものではありませんが、日々の仕事や学びを通じて鍛えることが可能です。
豊かで実りある人生を築くための礎として、意識して社会人基礎力を身につけていきましょう!
