社会人になってからも勉強は必要?
どんな内容を勉強すればいいの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
近年はIT技術の発展や社会構造の変化が著しく、現代人には頻繁な知識の更新が求められています。
特に仕事に関連する知識やスキルの更新は、将来的なキャリアプランにも関わってくるため重要です。
しかし、「何を勉強すれば良いのか分からない」という人も多いでしょう。
そこで今回は、社会人が新しい知識やスキルを習得するために「学び直し」をするメリットや、人気の学習ジャンルなどについて解説します。
年代別の学習ジャンルの選び方や、活用できる補助金制度なども紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
- 社会人の学び直しは現職でのキャリアアップや転職市場における自身の価値向上につながる
- 社会人の学び直しでは語学やIT関連のスキルなどが人気
- 教育訓練給付金や高等職業訓練促進給付金を利用すれば、学び直しにかかるコストを削減できる

株式会社ライフシフト 代表取締役社長COO。学生時代より企業研修業に携わり、大学卒業後、フライシュマン・ヒラード・ジャパンに新卒入社。 社内コミュニケーション、企業研修、人事制度、理念浸透のプロジェクトに従事。
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同社時代の上司である徳岡とともにライフシフト社を創業。 ベトナムでのスタートアップや起業を経験し、現在はライフシフト社COO。 プライベートでは二児の母。早稲田大学社会科学部卒業。
社会人の学び直し(リカレント教育)とは?

社会人の学び直しとは、文字通り学校での教育課程を終えて社会人になった後に、再度教育を受けることを指します。
「循環や再発」を意味するリカレントという言葉を用いて「リカレント教育」と呼ばれることもあり、近年は特に注目度が高いです。
政府もリカレント教育を推奨しており、支援制度や補助金などで社会人の学び直しを後押ししています。
一般的には、働きながら平日の夜間や休日を活用するか、休職中や転職時の空白期間に学校や塾などに通って学び直しをする人が多いです。
社会人の学び直しが注目される理由
社会人の学び直しが注目されている主な理由は以下の通りです。
- 平均寿命の延伸
- 社会全体の変化
- 働き方の変化
日本人の平均寿命は医療技術の進歩や食事の改善などにより年々延びており、近年は年金や貯蓄だけでは老後資金を賄い切れなくなってきています。
結果的に定年退職の年齢を徐々に後ろ倒しにし、長く働く人が増えてきました。
ITの発展により社会全体が目まぐるしく変化する現代で長く働くためには、知識やスキルの更新が必要です。
そのため、社会人になってから学び直しをする人が増えています。
また、近年は終身雇用が崩壊しつつあり、企業での昇進においても年功序列ではなく実力主義で評価する企業が多くなってきました。
結果、20~40代でもキャリアアップのために知識やスキルを習得する必要性が増してきており、学び直しが注目されつつあります。
近年は大学での学び直しも注目されている
社会人の学び直しを行う人が増えたことで、学び直しの場として大学が注目され始めています。
大学では学術的な分野を深掘りして学ぶことができるため、特に専門職への転職やキャリアアップを目指す人に人気です。
国も大学でのリカレント教育を推奨しており、リカレント教育向けのコースやプログラムを設立する大学が増えています。
企業やハローワークなどと連携し、受講料無料で短期間のプログラムを提供している大学も多いので、専門的な知識やスキルを学びたい人は、大学でも学び直しも視野に入れると良いでしょう。
リカレント教育と生涯学習との違い
リカレント教育と混同しやすい言葉に生涯学習があります。
生涯学習は自身の人生を豊かにするために行う学習のことで、労働に直結する知識やスキルを学ぶリカレント教育とは学習の目的が異なります。
学習する分野についても、資格の取得や職業訓練などにつながる学習するリカレント教育とは違い、生涯学習ではスポーツや芸術など、趣味につながるような分野も学習範囲に含まれるのが特徴です。
社会人になってから学習するという点は共通していますが、ニュアンスには大きな違いがあるので注意しましょう。
社会人が学び直しをするメリット

社会人の学び直しには以下のようなメリットがあります。
- 社内でのキャリアアップにつながる
- 転職市場での価値が高まる
- 人脈形成の機会を作れる
- 再就職しやすいスキルが身につけられる
キャリアアップや転職市場での価値向上だけでなく、人脈形成などにつながるのがメリットです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
社内でのキャリアアップにつながる
社会人が学び直しを行うことで、働いている会社での効率的なキャリアアップを目指せます。
近年は実力主義の企業も増えてきており、能力が高ければ年齢に関係なく昇進や年収アップが可能な企業も少なくありません。
スキマ時間を使って不足している知識やスキルを習得すれば、業務範囲が広がり、社内でのキャリアアップにつながります。
また、別の部署での業務に興味があり、異動を考えている場合は、必要なスキルの習得や資格の取得などをすることで、要望が通りやすくなるでしょう。
転職市場での価値が高まる
社会人で学び直しをすれば、転職市場における自身の価値を高められます。
近年は終身雇用が崩壊しつつあり、転職によるキャリアアップや収入アップを考える人も多いです。
しかし、元々働いていた企業で行っていた業務によっては、転職市場で自身の価値をアピールできないことも少なくありません。
リカレント教育によって専門知識やスキルを習得すれば、自身の価値を明確にアピールできるようになる他、資格を取得すれば資格手当を受け取れる可能性もあります。
また、業務範囲の拡大により、今までとは異なる職種に挑戦することも可能です。
人脈形成の機会を作れる
人脈形成の機会を作れることも、社会人が学び直しを行う大きなメリットです。
大学や塾などに通学してリカレント教育を受ける場合、同じプログラムを受講している人とのつながりが生まれます。
特に専門知識に関する授業や、士業などの専門的な資格を取得するためのプログラムを受講すれば、受講者同士での情報交換や、仕事の紹介などにつながることも多いです。
社会人になってからは難しくなるプライベートの友人をつくる機会にもなり、今後の人生が豊かになる可能性があることも、学び直しを行うメリットといえるでしょう。
再雇用されやすいスキルが身につけられる
高齢になってから学び直しを行った場合、定年後の再雇用で有利に働く可能性があります。
特にITスキルや専門職に関連する資格、士業関連の資格などは、現職とは別の職種での再雇用でも有利に働くことが多いです。
また、現職と同じ会社に再就職する場合は、社内の人材育成やマネジメントを任されることも少なくありません。
そのため、マネジメントスキルや経営学などに関するスキルを習得しておけば、高い評価を得られる場合があります。
以上のように、定年後の再雇用を見越した学び直しをすることで、定年後のキャリアプランに役立つことも多いです。
社会人の学び直しで人気な学習ジャンル

社会人の学び直しで特に人気な学習領域は以下の通りです。
- 外国語
- ITスキル
- 経営学・経済学
- 医療・福祉
特に近年はITに関するスキルやリテラシーが幅広い業種で必要になりつつあることから、ITスキルの学び直しが人気です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
外国語
英語をはじめとした語学スキルは、年齢を問わず人気がある学習ジャンルです。
近年は日本の企業でもグローバル化が進み、海外進出を考える企業が増えてきているため、語学スキルを持つ人材の価値が高まっています。
特にTOEICやTOEFLで高得点を出していれば、転職市場での価値も高くなり、キャリアアップにつなげることが可能です。
日常生活でもSNSなどを通じて海外の人と関わる機会が増えている他、インバウンド需要で日本を訪れる外国人も増えているため、新たな交流が生まれるきっかけになる可能性があります。
ITスキル
ITスキルは近年特に重要になってきているスキルです。
特にAIやIoTといった分野では人手不足が続いているため、Pythonをはじめとした言語のプログラミングスキルを習得すれば、将来的なキャリアの選択肢が大きく広がります。
また、プログラミングに限らずとも、データドリブンな経営を行っている企業では、業務効率化のためにITツールを積極的に導入していることが多いので、一定以上のITリテラシーを持っていることが重要です。
ITに関する技術は日々進歩しており、定期的な知識やスキルの更新が必要になるため、すでにITスキルを持っている人の中にも学び直しを考える人がいます。
経営学・経済学
社会人の学び直しでは、経営学や経済学も人気の学習領域になります。
特に管理職や役員への昇進が視野に入っている人や、近い将来に起業を考えている人は、経営学や経済学を学び直すことが多いです。
特に大学では、MBA(経営学修士)のカリキュラムをもとにした教育プログラムを用意している場合も多く、より専門的な内容を学べます。
受講者にも企業の管理職クラスや起業を考えている人が多いため、人脈形成の意味でもメリットが多い学習領域です。
医療・福祉
将来的に医療や福祉の分野で働きたい人のために、医療・福祉分野のリカレント教育を行っている教育機関も存在します。
基本的には福祉大学がリカレント教育用のコースを提供していることが多く、大学のカリキュラムをもとにしたプログラムを受けることが可能です。
理学療法士や介護福祉士など、安定性の高い職種でのキャリアが開かれる可能性があるため、主婦などにも人気の学習領域となっています。
社会人の学び直しにおける学習ジャンルの選び方

いざリカレント教育を受けようと考えても、明確な目的がない場合は、受講する学習領域に迷うことも多いでしょう。
そこで、40代以下と50代以降に分けて、学習する領域を選ぶ際のポイントを解説します。
40代以下の学び直しの場合
40代以下の場合、今後も働く期間が長いため、学び直しをする目的も多様になりがちです。
現在の職種でさらに高い専門性を身につけていきたいのであれば、より専門的な知識やスキルを身に着けることをおすすめします。
一方で、現在とは別の職種に関心がある場合や、専門性を極めるよりも業務範囲を拡げ、ジェネラリストとして活躍したい場合は、現在の職種とは関連性の薄い領域を学習してみるのも良いでしょう。
ただし、今までの仕事とは全く毛色の違う領域を学習する場合、すでに持っている知識やスキルが活かせず、仕事と関連するものより習得速度が遅くなるおそれがあるので注意しましょう。
50代以降の学び直しの場合
50代以降の場合、40代以下と違い老後の生活が見えてくるので、定年を見据えたプランを練った上で学習領域を選ぶことが重要になります。
今までの経験を活かした仕事がしたいのであれば、現在の仕事に関連する専門知識やスキルを高めるだけでなく、マネジメントや人材育成に関する学習を行うのもおすすめです。
また、50代以降の人は若年層と比べて頭の回転の速さのような「流動性知能」が低下しがちですが、今までの経験を活かす「結晶性知能」が優れている傾向があります。
そのため、新しい領域を学び直す場合でも、40代以下よりも過去の経験が活かせることが少なくありません。
働く中で自身の課題も明確になっており、学ぶべき領域の見極めも適切に行えるため、有意義な学び直しができるでしょう。
ライフシフト大学の学習内容

ライフシフト大学では、80歳まで現役で活躍することを見据え、長く活用できるスキルの習得を支援しています。
オンラインでの授業をメインに多摩大学大学院の履修科目を5ヶ月にわたって学び、経営に関するスキルや知識を習得することが可能です。
修了すれば単位認定され、MBAへの進学時に持ち込むこともできます。
より高い視座でビジネスを見られるようになるため、企業や独立を考えている人にもおすすめです。
定年後も継続して活躍できる人材を目指したいのであれば、ぜひライフシフト大学への入学を検討してみてください。
社会人の学び直しで活用できる補助金や支援制度

社会人の学び直しでは国が用意している補助金や支援制度を利用できます。
主な補助金や支援制度は以下の通りです。
- 教育訓練給付金
- 高等職業訓練促進給付金
- キャリアコンサルティング
- 公的職業訓練(ハロートレーニング)
特に補助金は学び直しのネックであるコスト面を抑えることができるので、積極的に活用していきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
教育訓練給付金
教育訓練給付金は、指定された教育訓練を受けて修了した際に、訓練の受講にかかった費用の一部を補助金として受け取る補助金制度です。
厚生労働省が実施している制度で、活用すれば学び直しにかかる費用を大幅に抑えられます。
教育訓練給付金は以下の3種類に細かく分類されており、それぞれ支給される金額や対象の講座が異なります。
| 教育訓練給付金の分類 | 補助率と上限金額 |
|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 受講費用の20%(上限10万円) |
| 特定一般教育訓練給付金 | 最大で受講費用の50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練給付金 | 最大で受講費用の80%(上限年間64万円) |
対象講座については厚生労働省のページから確認できるので、気になる方は確認してみてください。
学び直しのコストを軽減できる便利な制度ですが、受給するためには事前に申請する必要があるので、早めに申請方法などを確認しておきましょう。
高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の職業訓練を支援するための補助金制度です。
児童扶養手当の支給を受けられる所得水準のひとり親が利用でき、訓練期間中に最大月額10万円、訓練修了後に5万円を受け取れます。
また、訓練期間の最後の1年間は月額の支給額が増額され、最大で14万円受け取ることが可能です。
各自治体が実施している制度なので、要件や対象となる講座については自治体によって異なります。
詳しくは自身が住んでいる地域の自治体窓口で確認しましょう。
キャリアコンサルティング
キャリアコンサルティングは職業選択やキャリア設計などに関する支援制度で、厚生労働省が実施しています。
自身の職歴や将来のビジョンをもとに、専門のコンサルタントから適切な学習内容や講座の提案を受けることが可能です。
キャリアプランによっては自身が想定していなかった領域の学習を進められることもあり、将来的な視野が広がる可能性があります。
特にまだ学習する領域が定まっていない人は、一度相談を検討してみると良いでしょう。
公的職業訓練(ハロートレーニング)
ハロートレーニングは失業者やブランクのある転職希望者を対象にした公的職業訓練です。
在職者向けのコースも存在し、最大でも5日程度の短期的な職業訓練を受けられます。
受けられる訓練は基礎的なパソコンスキルから資格に関わるものまで幅広く、基本はテキスト代のみで受講することが可能です。
費用を抑えて学び直ししたい場合は、利用を検討してみても良いでしょう。
社会人が学び直しをする際の注意点

社会人が学び直しを行う際には注意点もあります。
主な注意点は以下の通りです。
- 時間やお金が必要になる
- 学び直しが評価されない場合がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
時間やお金が必要になる
まず、社会人の学び直しにはどうしても時間やお金が必要になります。
そのため、自身の経済面や確保できる余暇時間を冷静に把握し、学び直しに充てられるかを事前に確認しておくことが重要です。
仮に所得に見合わない講座を受講してしまったり、余暇時間を超えるような教育機関などを利用してしまうと、日常生活に大きな支障を与えるおそれがあります。
特に本業に集中できなくなり、自身のキャリアに悪影響が出てしまうと本末転倒なので、学び直しに掛けられる金銭的コストや時間はしっかりと把握しておきましょう。
学び直しが評価されない場合がある
キャリアアップや転職においてメリットが多い学び直しですが、企業の方針や学んだ内容によっては、学び直しが正当に評価されない場合があることも覚えておきましょう。
特に現職でのキャリアアップを目指して学び直しを行った場合、実務面での評価の方が優先順位が高いことが多いため、実際に評価されるまで時間がかかることも少なくありません。
転職市場でも実務経験がないと評価しない企業も多いので、特に新しい分野を学び直した場合は注意が必要です。
場合によっては年収が低下したとしても、実務経験を積むことを優先することを考えましょう。
社会人は学び直しで将来の幅を広げられる

社会人の学び直しについて解説してきました。
本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- 社会人の学び直しは現職でのキャリアアップや転職市場における自身の価値向上につながる
- 社会人の学び直しでは語学やIT関連のスキルなどが人気
- 教育訓練給付金や高等職業訓練促進給付金を利用すれば、学び直しにかかるコストを削減できる
社会人の学び直しを行うことで、現職でのキャリアアップや転職に役立てられます。
学習ジャンルについてもキャリアアップや転職に役立つものが人気で、特に幅広い職種で活用できる語学やITスキルを学ぶ人が多いです。
国も社会人の学び直しを推奨しており、受講する口座によっては補助金を受けられる場合があるので、事前に確認して活用できるようなら申請し、コストの削減を狙いましょう。
当記事を参考に、ぜひキャリアアップにつながるスキルの習得や資格の習得を目指してみてください。

