卒業生インタビュー vol2
東京海上日動火災保険株式会社 井手淳子 様 

【 金融・保険 】

株式会社東京海上日動パートナーズかんさい
大阪北支店 大阪北支社
井手淳子様

2022年夏に開講したライフシフト大学企業校(東京海上日動火災保険株式会社様 第2期)の卒業生2名にお話しをお伺いしました。

「正解」は人それぞれ違うので、行動しなければ気づけないということを学びました

――― ライフシフト大学で学んでみようと思われたきっかけについて
     お聞かせください。


井手氏 ライフシフト大学に入る1年前に、別のビジネススクールで単科生とし
    てクリティカルシンキングを受講したんです。その際に、さまざまな経
    歴や職種の方と交流する機会がありま、学び続けることの大切さを実感
    しました。その後、ライフシフト大学が開講されることを知り、いろい
    ろな科目を受講できるところが魅力
だと感じました。一般的な社会人大
    学に入学するとなると結構ハードルが高いので、その前に広く浅く学ん
    で、自分がどういうことに興味があるのか、また現在の状況についても
    知りたいと思い、参加させていただきました。

――― 3カ月にわたり8回の講義がありましたが、その中で特に印象に残って いたり、手応えを感じた講義はありましたか?

井手氏 最も印象に残っているのは、最初の徳岡先生の「ライフシフト概論」で
    す。「定年後も健康で、社会とのつながりがあり、経済的にも困らないよ
    うにするために、自分自身で未来を開く必要がある」「人生の競争戦略で
    はなく、人生の成長戦略をいかに築いていくか」「終身雇用ではなく終身
    知創の時代へ」といったお話を聴き、人生が終わってからも、かなりの時
    間があることに改めて気づかせていただきました。会社人生で見えるのは
    せいぜい3年先ぐらいで、10年後、20年後に自分がどうなっていきたいか
    ということは、なかなか会社では教えてもらえませんので、会社にいなが
    ら逆算してタイムマネジメントする必要があります。それなのに、目の前
    のことに忙殺されてしまうだけで果たして良いのか、ということを投げか
    けていただいて、それが本当に大事だということを実感として気づかせて
    いただきました。

――― ライフシフト大学の前にビジネススクールでも学ばれたということですが、学びのモチベーションが高まったのはなぜですか?

井手氏 会社の中で年次を重ねてきて、ずっといらっしゃるだろうと思っていた先
    輩が辞められたり、あとは『ライフシフト』というリンダ・グラットンさ
    んの書籍などを通じて、「終身雇用じゃないよね」という社会の流れを肌
    で感じるところがありました。そういう意味では学び続けることが大事で
    すし、政府もリスキリングとかリカレント教育に力を入れていますので、
    自分でできることからやってみようと思ったのがきっかけです。

――― 大企業で20年以上勤務すると、井手さんのように自分のキャリアを改めて考えてみようとする方もいらっしゃる一方で、
    あまり先のことを考えずに、現状維持で「何とかなるさ」と思っている方も多いのではないかと思うんですが、
    井手さんの周囲はいかがですか?


井手氏 私くらいの年次になると、ある程度どこまで出世できるかが見えてきて、
    支店長や部長クラスの人でも、その先でどういう生き方や働き方をするの
    かを考えた時に、結構苦しんでいるような印象を受けます。ある時点でこ
    れまで積み上げてきたキャリアがゼロになってしまったり、これまでの経
    験を生かすことができないというのは、社会的損失にもつながると思いま
    す。年を取ったから使い物にならないということではなく、会社で積み上
    げてきたキャリアを社会に還元できる仕組み
があれば、日本社会ももっと
    良くなるのではないかという気がします。

――― 井手さんがライフシフト大学での学びを通じて得たこと、
    あるいは変化したことはありますか?

井手氏 学び続けることに終わりはないということを実感しました。環境がものす
    ごいスピードで変化していて、得た知識が1〜2年後には陳腐化してしまう
    ような時代だとすごく感じます。「こうすれば正解」ということが通じな
    い世界で、何が自分にとって正解なのかは人それぞれ違うので、探し続け
    ないといけな
いし、待っていても仕方がない。誰かから与えられるもので
    もないので、トライアンドエラーを繰り返しながらどんどん行動しないと
    気づかないし、気づけないということを改めて感じました。

――― 井手さんご自身は、何か行動を起こしたことはありますか?

井手氏 やはり心身ともに健康でなければ何事も始まらないと改めて思いまして、
    一般社団法人日本健康生活推進協会の「日本健康マスター検定」の「エキ
    スパートコース」を受験して合格しました。普段は、通勤で自宅から駅ま
    で自転車を使うのをやめて、徒歩で15分ほどの距離を歩くようにしました。
    毎日1万歩以上歩き続けています。また、週末はジムで8キロくらい走って
    います。

――― それは素晴らしいですね。「日本健康マスター検定」はどのような検定なんですか?

井手氏 健康に関する全般的な知識を学びます。日本は健康保険制度を享受できるた
    め、海外と比べて健康リテラシーが低いようです。国民一人ひとりが健康に
    気を配ることで、医療費や社会保険料の抑制にもつながりますので、健康意
    識を啓蒙していかなければいけないように思います。

――― ライフシフト大学に一緒に参加された他の皆さんとのつながりや、何か
    新しい出会いはありましたか?
井手氏 オンライン中心だったこともあり、全国各地のさまざまな業種や立場の方と
    交流できて、とても良かったです。講義ではディスカッションの時間を結構
    取ってくださっていたので、ありがたかったですね。仕事の傍らでボランテ
    ィアや趣味など、いろいろなことに挑戦されている方がいらっしゃって、
    ごく刺激になりました


――― 皆さんでグループラインも作られて、交流が続いているようですね。
    周囲の方とは、ライフシフト大学で学んだことについて話すことは
    ありますか?

井手氏 夫には、自分の復習も兼ねて、毎週の講義で学んだことを話すようにしてい
    たんですね。話すことで自分の身になりましたし、夫も結構面白がってくれ
    ました。その延長で一緒に学ぶこともありましたし、関連する書籍を夫が教
    えてくれることもあり、良い循環になったと思います。

――― それはいいですね。最後に、会社の後輩の皆さんや一般の方々に向けて、
    ライフシフト大学のお勧めなところをお聞かせいただけますか?

井手氏 ライフシフトという概念が新しいと思います。従来は、キャリアアップの手
    段として、マーケティングやマネジメントなど特定のスキルを高める研修が
    多かったですが、ライフシフト大学はもう少し大きな概念で、人生100年時
    代を生きるためにどうするか、という哲学的な要素が多かったと思います。
    社会人になって、そういうことを学ぶ機会って少ないと思うんですね。仕事
    もしながらライフのことも考えるという意味では、ちょうどバランスが取れ
    ているのではないかと思いましたし、同じようなことで悩む世代が集まって、
    ああでもないこうでもないと話し合うことは、心地よくもあり、刺激にもな
    りました
。こういう場は、ありそうでなかったと思います。また、企業内研
    修という点では、普段は職場での関わりが全てになりがちですが、さまざま
    な素敵な社員がいることに改めて気づくことができました。

――― 素敵な感想をありがとうございました。